「LGBT」だけじゃない?多様な性を一挙に紹介します。

LGBTについて調べてみたけど、自分や身近な人の中に「LGBT」にも当てはまらないような人がいる。
または「もっといろんな性について知ってみたい!」そう思ったあなたに、LGBT以外の多様な性について解説します。
前回の記事も合わせて読んでいただけたら、理解が深まるかと思います。

目次

「性的指向」と「恋愛的指向」

さまざまな性について紹介する前に「性的指向」と「恋愛的指向」という言葉について解説しておきます。
この2つの言葉。意味は似て非なるものです。
これらの違いが分かると、様々な性についての理解が深まります。

「性的指向」とは?

「性的指向」(Sexual orientation)とはどの性に恋愛感情を抱き、どの性に性的魅力を感じるのかを表す言葉です。

「恋愛的指向」とは?

恋愛的指向(Romantic attraction)とは、どの性に恋愛感情を抱くのかを表す言葉です。

「性的指向」と「恋愛的指向」の違いは?

「性的指向」と「恋愛的指向」はとっても似ているので違いを理解するのがとっても難しいです。
でも大丈夫。田代が分かりやすく解説します。

まず「性的指向」の意味には「どの性に性的魅力を感じるか」と「どの性に恋愛感情を抱くか」という2つの意味が含まれています。多くの場合は、性的指向の対象と恋愛的指向の対象は一致します。

男性に対して恋愛感情を抱き、男性に性的魅力を感じる
女性に対して恋愛感情を抱き、女性に性的魅力を感じる などが挙げられます。


しかし、ここで重要なのが、必ずしも「性的魅力を感じる対象」と「恋愛感情を抱く対象」は一致するわけではない、ということです。なぜなら「性的魅力を感じる」のは本能的な部分、「恋愛感情を抱く」のは感情的な部分がつかさどっているからです。
どのような性に惹かれるのかで考えると少しわかりづらい議題ですが、人で考えると少しわかりやすいかもしれません。

  • 彼女を愛していて、彼女とだけセックスを望む人
  • 彼女を愛しているし、彼女とセックスを望むが、他の女性とも関係を持ちたい人

などが挙げられます。

性の対象もそうですが、性の相手も異なることや複数の人に持つことがあるということです。
では、話は戻って人ではなく性の話で行くと

  • 男女どちらともセックスはできるけど、恋愛感情を持つのは男だけ
  • セックスはしたくないけど、恋愛感情は女性に抱く

 などが挙げられます。

このような場合には、「性的指向」を狭義に「性的魅力を感じる対象」という意味として、「恋愛的指向」を「恋愛感情を抱く対象」という意味として区別して使います。
  
それでは、そのそれぞれの対象がどの性なのか?によって、名前が付けられているので紹介していきます。

「性的指向」に関するセクシャリティ

「性的指向」に関するセクシャリティ

性的指向に関するセクシャリティの名称は基本的には、語尾に「~セクシュアル」とつきます。

ヘテロセクシャル

「ヘテロセクシャル」とは、異性に対して性的魅力や恋愛感情を抱く人のことです。


「ヘテロ」とはギリシャ語で「異なる」という意味になります。

性自認が女性で、男性が好き

性自認が男性で、女性が好き などが挙げられます。

ホモセクシャル

「ホモセクシャル」とは同性に対して性的魅力や恋愛感情を抱く人のことです。


その中でも「レズビアン」は性自認が女性で女性を好きになる人、「ゲイ」は性自認が男性で、男性好きになる人のことを表しています。

バイセクシャルとパンセクシャル

「バイセクシャル」とは、男女の両性に性的魅力や恋愛感情を抱く人のことです
それに対し「パンセクシャル」とは相手のセクシャリティに関わらず性的魅力や恋愛感情を抱く人のこと。

バイセクシャル」は男女のどちらも、というのに対して「パンセクシャル」は男女に限らない、という違いがあります。
例えば好きになる相手が、「自分は男女どちらでもない」というXジェンダーだったりすることもあるのが「パンセクシャル」です。

アセクシュアル(無性愛)とノンセクシャル(非性愛)

「アセクシャル」(無性愛)とは、他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない人のことです。
それに対して「ノンセクシャル」(非性愛)は、他者に対して恋愛感情を抱くものの、性的欲求は抱かない人のことを言います。


ここでは、先ほど解説したように「性的指向」を狭義の「性的魅力を感じる対象」という意味で考えます。

「恋愛的指向」に関するセクシャリティ

「恋愛的指向」に関するセクシャリティ

恋愛感情を抱く対象を表す恋愛的指向に関するセクシャリティの名称は基本的には、語尾に「~ロマンティック」とつきます。

基本的には「性的指向」に関するセクシャリティの「~セクシャル」の「セクシャル」をそのまま「~ロマンティック」に変えるだけで理解ができます。

ヘテロロマンティック

「ヘテロロマンティック」とは、異性に対して恋愛感情を抱く人のことです。
このように先ほど出てきた「ヘテロセクシャル」との「セクシャル」の部分を「ロマンティック」に変えるだけですね。

性的指向と恋愛的指向が必ずしも一致することはなく「ノンセクシュアル かつ ヘテロロマンティック」という人がいます。

つまり、異性に対して恋愛感情を抱くが性的欲求は抱かない という事ですね。

ガイノロマンティックとアンドロロマンティック

「~セクシャル」では出てこなかった、言葉がいきなり出てきました。
「ガイノロマンティック」は女性に対してのみ、恋愛感情を抱く人のことです。
それに対して「アンドロロマンティック」は男性に対してのみ恋愛感情を抱く人のことを表します。

ホモロマンティック

「ホモロマンティック」は同性に対して恋愛感情を抱く人のことです。

バイロマンティックとパンロマンティック

「バイセクシャル」「パンセクシャル」の意味をそのまま「恋愛感情を抱くこと」に限定すれば意味が分かりますね。

「バイロマンティック」は男女両性に対して恋愛感情を抱く人のことで、パンセクシャルはセクシャリティに関係なく、恋愛感情を抱く人のことです。

アロマンティック

「アロマンティック」とは、他者に対して恋愛感情を抱かない人のことです。

「性自認」に関するセクシャリティ

「性自認」に関するセクシャリティ

「自分の性を何と認識しているか」によっても様々なセクシャリティが存在します。

シスジェンダー

「シスジェンダー」とは、生まれてきたときに診断された性別と、自認している性格が一致していて、それに従って生きている人のことです。

トランスジェンダーとトランスセクシャル

「トランスジェンダー」は、生まれたときに診断された性(戸籍上の性)と自認している性別が一致していない人のことです。

身体の性別に違和感や嫌悪感を抱えていることが多いです。
その中でも、性別の移行を望む状態の人や、実際に移行を行った人のことを「トランスセクシャル」と呼びます。

Xジェンダー

Xジェンダーとは男性/女性という概念がない状態の人のことです。
Xジェンダーの中にも、中性・両性・無性・不定性と多様なアイデンティティがあります。

ジェンダーフィールド

「ジェンダーフィールド」とは性自認が定まっておらず、状態や心理的状況などによって、流動的に性自認が変化する人のことです。

そのほかのセクシャリティ

クエスチョニング

「クエスチョニング」とは性自認や性的指向を模索中の人のことです。

アジェンダ―

「アジェンダ―」とは「性」という概念を持たない人のことを言います。

「レズ」って差別用語?

「レズ」って差別用語?

何気なく「レズ」や「オネェ」という言葉を使っていませんか?それ、もしかしたら差別的ととらわれてしまう可能性もあるんです。
以下で、どんな用語が差別的になるか正しい呼び方を紹介します。

「レズ」:正式には「レズビアン」または「ビアン」と呼びましょう。
「ホモ」:よく男性同士の恋愛関係に対して使われている言葉ですが、実は同性愛者全体に対する言葉です。「ホモ」とだけ呼ぶと差別的に捉えられます。
「おかま」:もともと、女装男娼者の肛門性交をする人への蔑称として使われていた言葉で、現在でも差別的な用語とされています。
「おなべ」:「おかま」同様、差別的な表現とされています。
「オネェ」:もともと、女装しない女性的なゲイをさしてつかわれていた言葉です。差別用語とまではなりませんが「オネェ」と呼ばれると不快感や嫌悪感を抱く当事者もいます。

人によって、何と呼ばれるかで嫌悪感を抱くか、まったく気にしないのか、自分で自分自身のことをレズ・ホモなどと呼んでいたとしても人から言われたときの言葉の捉え方や感じ方は大きく異なります。
まだ出会って日が短い相手に対しては、失礼のないように接する事が必要かもしれませんね。

世の中には多様な性が存在する

今回は、様々なセクシャルを紹介しました。しかしここに書かれているものもいくつもあるセクシャリティのごく一部でしかありません。
もし「この場合にはどう呼ぶのか」「自分はどれに当てはまるのかが分からない」などの疑問があれば、問合せフォームまたは「みんなの掲示板」で相談してみましょう。

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