トランスジェンダーとは?当事者が簡単に解説します。

LGBTの中の「T」で表されている「トランスジェンダー」という言葉について
この記事では、当事者がトランスジェンダーについて徹底的に解説します。

目次

トランスジェンダーを理解するための「身体の性別」と「性自認」

身体の性別

「身体の性別」は、その名の通り身体上の性です。出生時に割り当てられます。

男女の身体は、46本ある染色体のうちの、「性染色体」という2本の染色体の違いによって決定づけられます。
性染色体には、XとYの2種類あり、女性の場合にはX染色体が2本、男性の場合にはX染色体とY染色体が1本ずつです。


そして日本では、出生届を出すことによって、生まれたときの身体の性別が「戸籍上の性」にもなります。

性自認

「性自認」とは、自身の性別をどう自認しているかを表す言葉です。


身体の性別が男女どちらかに関わらず、心の中で「自分が男性である」と思っていれば「性自認は男性」、
「自分が女性である」と思っていれば「性自認は女性」となります。「自分は女性でも男性でもない」と思っていれば「性自認はXジェンダー」となります。

トランスジェンダーとは?

トランスジェンダーとは?

まずはトランスジェンダーとは何かを簡単に解説します。
またよくトランスジェンダーと一緒に出てくる言葉についても、トランスジェンダーとの違いとともに紹介します。

身体の性別と性自認が一致していないのが「トランスジェンダー」

「トランスジェンダー」とは、「身体の性別」と「性自認」が一致していない状態の人のことです。

たっしーの場合は、「身体は女性で生まれてきたが、性自認が男性」でした。

反対に、身体の性別と性自認が一致している人のことを「シスジェンダー」と呼びます。

トランスジェンダーの中には、身体の性別とは違う性別での生活を望み、中にはホルモン治療や性別適合手術を行い、性自認に近い状態で生活している人もいれば、身体の性別と性自認に違和感を抱えつつも治療のデメリットや持病の悪化を考慮し、あえて治療などは行わない人もいます。


つまり、「トランスジェンダー」とはその治療の有無を問わずに使用される言葉です。広義的に、「 身体の性別と、性自認が一致していない状態の人 」を指しています。

また、身体に対する違和感や、嫌悪感の度合いは人それぞれ違うため、トランスジェンダーの方がどのような治療をどこまで行うのか、戸籍の変更も望むのかなどはその人次第です。

(※現状の日本の法律では、戸籍の変更を行いたい場合、生殖腺の摘出が必要です。泣)

トランスセクシャルとの違いは?

「トランスセクシャル」とは、トランスジェンダーの中でも、性別の移行を望む人、または性別の移行を行った人のことを指します。
つまり、性別適合手術を行いたい、または行った人です。

トランスジェンダーと性同一性障害との違いは?

トランスジェンダーと似た言葉として「性同一性障害」という言葉があります。

性同一性障害もトランスジェンダーと同じく、身体の性と性自認が一致しない状態の人のことを指します。
ただし性同一性障害はトランスジェンダーの中でも特に「身体の性と性自認を一致させるための、ホルモン注射や外科的手術を望む人」です。

つまりトランスジェンダーの中に性同一性障害が含まれるというイメージで理解しておきましょう。

トランスヴェスタイト(クロスドレッサー)との違いは?

トランスヴェスタイト(クロスドレッサー)とは、自分と反対の性の服装を着る人です。
この「反対の性」を身体的な性を指すのか、性自認を指すのかは解釈により曖昧です。

性的指向は関係なく、あくまでも着る服装が反対の性ということになります。
また厳密にはトランスヴェスタイトとクロスドレッサーも意味が若干異なります。

クロスドレッサーは、単に反対の性の服装を好むというのに対し、トランスヴェスタイトは反対の性の服装を身にまとうことで性的な興奮を感じるという違いがあります。

Xジェンダーとの違いは?

Xジェンダーとは「性自認」が「男女のどちらにも属さない」と感じている人です。
トランスジェンダーは身体の性別とは反対の性を自認していうrという点で、違いがあります。

FTM・MTF・FTX・MTXとは?

トランスジェンダーについて調べたり、トランスジェンダーと関わる中で目にする言葉であるFTM・MTF・FTX・MTX。
当事者はSNSの紹介文でよく使っていますね。
「これって何かの記号?」「どういう意味なの?」という方に分かりやすく説明します。

まず、どれにも共通しているのは、真ん中の「T」これは「To」の略です
一文字目と最後の文字は、F:Female(女性)、M:Men(男性)、X:Xジェンダーと性別を表しています。
つまり一文字目の性別は身体の性別、最後の文字は性自認と考えると分かりやすいです。

FTMとは?

FTM(Female to Male)は、女性から男性。つまり、身体の性別は女性だが、性自認は男性の人を指します。

MTFとは?

MTF(Male to Female)はFTMの反対です。つまり、身体の性別は男性だが、性自認は女性の人を指します。

FTX・MTXとは?

FTX(Female to X)は、身体的性別が女性で、性自認がXジェンダーの人、
MTX(Male to X)は、身体的性別が男性で性自認がXジェンダーの人です。


Xジェンダーとは、男女のどちらにもあてはまらない、ということです。
「自分の性がどちらでもない」「男女の枠に当てはめるのには、違和感を感じる」という方もいます。そういった方をXジェンダーと呼び、身体的性別によって「FTX」か「MTX」という呼び方をします。

まとめ

トランスジェンダーとは何か、トランスジェンダーを表す言葉について紹介しました。
必ずしも身体の性別(戸籍上の性別)と、性自認(自分が自覚している性)とは一致しているわけではない、ということを理解すれば、そこまで難しい言葉ではありません。

また、トランスジェンダーにあたる全ての人が身体的な治療を望むわけではありません。

持病を患っており治療ができない人、治療のデメリットを考え治療を行わない人、社会的な偏見や差別を避けるために治療を行わない人、身体的な性別に違和感を感じてはいるが治療をするほどのことではないという人などいろいろな事情が考えられます。

なぜこのような話をしているのかというと、SNS上などでよく「当事者同士」の偏見や差別も見受けられるからです。

治療済みのFTMが「治療をしていないFTMは女だ」「FTMでゲイなんて存在しない」などの発言をするのをSNSで見かけることがありました。

僕は、人それぞれ色々な事情があると思うし、人それぞれ考え方や価値観は異なるという事を踏まえて、相手を傷つけ合うのではなく、尊重し合っていきたいなと思います。

今後「トランスドットコム」では主にトランスジェンダーについて、治療や生活のことについて解説する予定です。
当事者の方も、周りの方も、また知っておきたいという方に向けて、詳しくかつ簡単に説明をしますので、ぜひお楽しみに。




あなたのシェアが誰かを救う

コメント

コメントする

目次