【当事者監修】年代別トランスジェンダーについて学べる本10選

トランスジェンダーについて書かれた本を、子供が学べる絵本から大人が読む体系的なものまで一挙公開します。
親子で一緒に読むのもよし、自身の心の助けにするのもよし、会社で勉強会や研修を開いてみるのもよし、ぜひ手に取ってみみてください。

できるだけ読みやすくてとっつきやすいものを中心に紹介していきます!

たっしー

どうしてもトランスジェンダー「だけ」に特化した本はまだまだ少ないためLGBT全般のものも紹介しています。

目次

子供と一緒に学べる絵本

小さな頃から多様性やLGBTについて触れておくことは、重要です。
でも子供に言葉で説明するのはとっても難しいですよね。
トランスジェンダーについては「性自認」という目に見えない内面的な側面もあるためさらに理解が難しいかもしれません。

そこで親子で楽しみながらトランスジェンダーについて学べる絵本を紹介します。

「くまのトーマスはおんなのこ」

テディベアのトーマスとともだちのエロール。
トーマスは「自分は女の子だ」と思っているけれども、大好きなともだちのエロールに打ち明けたら、友達じゃなくなってしまうかもしれない」そんな不安を抱えています。

意を決して打ち明けたトーマスに対してエロールは……。


この本の著者ジェシカ・ウォルトンさんは、バイセクシャルの女性です。
父親がトランスジェンダーで、現在は女性として暮らしているそうです。
産まれた息子さんに、多様な家族のありかたを伝えるためこの絵本を書いたとのこと。
トランスジェンダーが主人公の数少ない絵本の1つです。

友達のエロール、もう一人登場するエイバという女の子の友達の反応がとっても素敵。
個人的に好きだったのはトーマスが胸にしていた蝶ネクタイを上にあげてリボンに、エイバは髪につけていたリボンを「髪の毛が楽な方がいい」と外すシーン。
それぞれが「男の子らしさ」「女の子らしさ」から解放されて、自分らしく自分を表現していいんだ、ということを教えてくれます。

大切な人にカミングアウトを受けたときに「あなたはあなた」と受け入れてあげるだけでいい。
「らしさ」にとらわれず、自分を表現していい。

そんなことを大人も子供も学べる絵本です。

「レッド あかくてあおいクレヨンのはなし」 

本当は青なのに巻紙が赤になっているクレヨンの話です。
周りは自分のことを赤だと思っているのに、どんなに頑張っても赤いもののが描けない......。
しかし新しい友達との出会いで自分は海や青空をかけることを知り、ありのままの自分を表現できるようになります。


周りから見られている・求められている自分と、自分が表現できる・表現したい自分との狭間で思い悩むことってありますよね。
この本では「本当の自分」を表現することの素晴らしさを教えてくれます。

またこの本の中で友達や家族のクレヨンは、赤いものがうまく書けないレッドに対して「もっと頑張ればきっとかける」「努力が足りないだけ」「時間がたてば何とかなるよ」と思っていたり、レッドに対して実際に声をかけたりします。

これって結構実際にあるんですよね。
性自認が身体的な性別と違うと打ち明けても「いつか治るよ」とか「時間が解決する」となどと声をかけられたりすること。
これは言っている側にはまったく悪意はないことがほとんどなんです。
ただ「知らない」だけ。
なんなら当人だって「治るものなのかもしれない」と思ったりすることだってあります。

でもそうじゃない。
周りからラベリングされた通りにならなきゃいけない訳じゃない、本当の自分を知り、表現して輝く、その素晴らしさを教えてくれます。
親子で会話をしながら読んでみてください。

作:マイケル・ホール  訳:上田 勢子
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「ピンクがすきってきめないで」

面白いタイトルですね。
こちらは正確にいうとトランスジェンダーの本ではありません。

この本の主人公である女の子の性自認は身体の性と一致しています。
ただ「おんなのこだからおんなのこらしく」「おとこのこなんだからおとこのこらしく」
という周りから押し付けられた「性表現」に、疑問を投げかける本です。

あまり出回っておらず、かなり高値になっております......。
が、だからこそ手にしておきたい一冊ですね。

ナタリー・オンス (著), イリヤ・グリーン (著), とき ありえ (翻訳)

小学生・中学生向けの本

小学生になると家庭以外で周りの子や先生との関わることが多くなり、他者と自分の違いを感じるようになります。
また中学生にもなると思春期を迎え、性に対して関心を抱く子も多くなりますよね。
出来ればその時期を迎える前に、LGBTについての知識を持っておくといいでしょう。

「おやこで話す はじめてのLGBTs」

トランスジェンダーだけでなくLGBTすべてを網羅的に扱った本です。
幼稚園から小学校低学年ぐらいまでの子供と一緒に読むのがオススメな読み方。
子供も楽しく学べるイラストやゲーム、親子で会話をしながら読めるような「しつもん」コーナー、大人も学べる解説もついているので、親子で読むにはピッタリな本です。

「LGBTについて子供にどう説明していいか分からない。」
そんな方はまずこの一冊を一緒によんでみてはいかがでしょうか?

著者のとらやす先生は元中学校教師のFTM。
なんと田代の中学時代の部活の顧問です(笑)

現在は出版、講演会、雑誌のコラムなど、LGBTsに関する発信活動を行っています。

「マンガでわかるLGBTQ+」

トランスジェンダーだけでなく、LGBTQについてマンガで簡単に学ぶことができます。
LGBTQ+に関する体系的な知識はもちろんのこと、当事者の生活の中での生々しい体験談や課題が数多く紹介されており、とても内容が濃い一冊でした。
当事者自身の「あれ、気を遣わせてるかも」というリアルな心情や、カミングアウトを受けた相手の「受け入れたいし、変わらないってことを伝えたいけど、どう伝えたらいいのか分からない」そんな様子がかなりリアルに表現されています。

そしてマンガなのでとっつきやすく、分かりやすい。
大人にもおすすめの一冊です。

パレットトーク
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「13歳から知っておきたいLGBT+」

こちらもトランスジェンダーに限らず、LGBTについて網羅的に学べる本です。
13歳からというだけ、かなり読みやすく簡単に書かれているのがこの本の特徴。
LGBT「+」と多様な性についてかなり網羅的に解説されています。

アシュリー・マーデル (著), 須川綾子 (翻訳)
¥1,650 (2022/01/10 08:06時点 | Amazon調べ)

高校生・大学生・大人向けの本

「はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで」

大人が1から学ぶのであれば、まずこの一冊からでしょう。
トランスジェンダーだけでなくLGBT全般について広く、深く知ることができます。

LGBTとは?という基礎的な部分から、学校や職場、自治体での対応の課題、法律的・医学的課題、そしてLGBTの歴史とトレンド、さらにLGBTについて調査する際の注意点まで、この一冊に網羅された本。
これを読んでさらに深く知りたい部分を調べていく、という読み方がオススメです。

「子どもの性同一性障害に向き合う」

数少ない性同一性障害に特化した本です。

「自分の子供が性同一性障害かもしれない」
「自分の学校の生徒が性同一性障害かもしれない」

そう思ったときに手にとってほしい本。
著者のは西野 明樹さんは臨床心理士として、親や学校の先生などの相談を数多く受けてきました。
その経験や実例を元に、子どもの「性」に対してどのように向き合ったらいいのかを解説しています。

子どもの年齢別に、複数の実例を元にどのように対応したらいいのかが解説しているので今の自分や子どもの状況に当てはめながら見てみるといいでしょう。

マンガで学べる

男になりタイ! 私の彼氏は元オンナ

レズビアンだった女性が、FTMの男性と出会って付き合います。
そして性別適合手術をタイで行うことにしたFTMの彼と同行。
その珍道中を描いた漫画です。

純粋に物語として面白いだけでなく、タイでの手術の流れや注意点などを知ることもできます。

「うちのダンナがかわいすぎるっ! 元♀のイケメンと入籍しました!! 」

こちらブログが元になってできたマンガです。
ノンケのヨメちゃんと、FTMのダンナちゃんのリアルな生活模様が描かれています。

個人的には、付き合い始めたきっかけがどちらも浮気という導入からちょっと読み進めるのに気が引けてしまいました。
しかし結構リアルにFTMとノンケの生活模様が分かるので、興味がある方は覗いてみてください。
ただ他のFTMとノンケカップルが同じような感じとは限らないので、あくまでも一例として......。

まとめ

子供から大人まで、トランスジェンダーについて学べる本を紹介しました。
簡単で読みやすいものを中心に紹介したので、気になるものから手に取ってみてください。
子供と一緒に読む前に、本当に自分の子供に合うかどうか試したいという場合にはkindleなどで先にサラッと読んでみるのもいいかもしれません。kindle unlimitedの読み放題サービスなら2冊以上読めば元取れるので、試してみるのもアリです。

読んでみた感想や「こんな本も参考になるよ!」というものがあれば、コメントや問合せフォームまたはTwitterDMなどでぜひ教えてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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